アイビー歯科クリニック

 

医療法人社団博愛会ドクターブログ

札幌市豊平区の歯医者、医療法人社団博愛会のドクターによるブログです

歯科医療のデジタル化

皆様こんにちは、医療法人社団博愛会、理事長の今井崇博です。最近はコロナウイルスの対応に日本全体が慣れてきたのか、感染対策に気を付けて外食や旅行も少しずつできるようになってきました。当院の来院患者数も今は通常通りに回復致しております。定期検診で口腔内を健全に保つ事はコロナウィルスの感染予防対策にもなりますので、お時間がありましたら是非お越しください。感染対策をできるだけ万全にしてお待ちしております。

 

 

最初はデジタルレントゲンに驚いた

今回は歯科医療のデジタル化のお話をしていきます。私が歯科医師になった20年前はレントゲンを撮ったらフイルムに現像液を浸して写真が見れるまで1〜2分くらい時間がかかりました。それがある日、写真を撮ったら1秒で画像がみられるデジタル式のレントゲンの機械をみて、なんてすごいんだ!と衝撃をうけました。当時高額だった歯科用CTも価格が下がり大分普及してきました。当院でもCTを活用して難抜歯などの外科手術やインプラント治療もより安全に行えるようになりました。

  

 

 

技工士さんがいなくても機械で歯の被せ物ができる
CAD /CAMシステム(コンピューターで歯を設計し専用の
機械がセラミックなどの歯を作ってくれるシステム)

そして歯科用の口腔内を写すカメラと3Dプリンターが進化して、技工士さんがいなくても歯の被せ物が作れてしまう時代がやってきました。今まで型をとって石膏模型を作って金属を溶かして歯を作っていたのですが、それが全部コンピューター上でできるようになりました。ですから材料やゴミも減り、時間も短縮されたので、1日で歯の治療が完了できるようになったのです。

  

 

 

まだまだ歯科のデジタル化は進んでいく、矯正もマウスピースの時代、働き方も変わっていく

他にもインプラント治療をより安全にすることができるシュミレーションガイドシステムなどもあります。また、症例によりますが矯正治療もワイヤーを使わずマウスピースで行えるようになってきました。そして、患者様の予約管理システムの向上や、我々医療従事者の事務作業の効率化などにもデジタル化の恩恵が見られます。

  

 

私が歯科医師になった20年前と違って、今はデジタルのおかげで歯科の技術の習得や労働環境が格段に良くなりました。ですから今の若い世代の人はチョット羨ましく思います。こういった機器やシステムは決して安い投資ではありませんが、患者さんにより良い医療を提供することや、スタッフが働きやすくなるのに必要な物であれば、今後も積極的に取り入れていきたいと思います。それより、治療や機械がどんどん進化していき、私の頭がついて行かないのが悩みです笑笑、でも若い先生の力をかりてなんとか頑張っていきます!!

医療法人社団博愛会 理事長 今井崇博

滅菌器について

こんにちは。
歯科医師の西尾です。
新型コロナウイルスの影響で落ち着かない日々が続いています。
当院では、日々変化する状況にフレキシブルに対応し、安心して来院していただけるように努めております。最新の情報については、当院HPをご確認下さい。

 

〜今回のテーマ〜 滅菌器について
歯科診療を行う上で絶対に必要な機器の一つが滅菌器です。
この記事を読んでいただいて、少しでも安心して歯科診療を受けていただけれればと思っています。

 

①「滅菌」とは?
②滅菌器のランク分け
③クラスB滅菌器の普及率
④当院での滅菌器の使い分け

 

①「滅菌」とは?
昨今、「滅菌」「殺菌」「消毒」「除菌」などの単語を目にすることが多いと思います。簡単にそれぞれの単語の意味について説明します。
・滅菌:すべての細菌を死滅させること
・殺菌:特定の細菌を殺すこと
・消毒:病原性のある微生物を害のない程度にすること
・除菌:微生物を減らすこと
※「消毒」と「除菌」は同じような意味合いを持っていますが、薬事法の兼ね合いで表記が分かれています
☆まとめ☆
「滅菌」が最強の方法!!

 

②滅菌器のランク分け
一言に「滅菌器」と言っても数種類あり、クラス分けがされています。
レベルの高い順に、
「クラスB>クラスS>クラスN」
となっています。
最高クラスに位置する、クラスBについて簡単に説明致します。
クラスB滅菌器とは、世界で最も厳しいとされるヨーロッパ基準EN13060に準じた滅菌器のことを表します。

 

 

「クラスB」と「クラスN」を簡単に説明します。
・クラスB:機器内部を真空状態に出来る装置が備わっており、それを利用して様々な道具の内部まで高温蒸気を送り込むことができる
・クラスN:高温蒸気を発生させ、庫内に充満させる。真空状態に出来ないので、道具の内部まで高温蒸気を送り込むことができない。
☆まとめ☆
滅菌する道具によって正しく使い分けることが重要!

 

③クラスB滅菌器の普及率

 

上記グラフを見て分かるように、日本での普及率はなんと2~4%と言われています。クラスB滅菌器を義務付けている国がある中で、日本ではまだまだ普及していないのが現実です。機器自体が高額、ランニングコストが高い、メンテナンス費用が高いなどが普及しない理由となっています。
当院では開業時から「クラスB」を導入しており、安心を担保するための必要なコストと考え、日々使用しております。
☆まとめ☆
日本ではクラスBがまだまだ普及していない!

 

④当院での滅菌器の使い分け
当院では「クラスB」と「クラスN」の2台体制で滅菌を行っています。
滅菌パック(診療台の横でいつも破いているもの)に入れているもの、歯を削る道具などは、もちろん「クラスB」で滅菌を行っています。
滅菌パックではなく、金属製の専用ケースに入れるガーゼや綿などは「クラスN」で滅菌を行っています。
☆まとめ☆
2台の滅菌器をフル活用!

 

以上、簡単ではありますが滅菌器について紹介しました。
「滅菌」は歯科診療においては裏方的な存在かもしれませんが、この記事を通じて少しでも興味を持っていただき、そして、安心して歯科診療を受けていただきたいと思っています。

最近の子供達の口腔の発育について

みなさんこんにちは、院長の今井です。今回は6歳から12歳くらいの子供達の口腔の発育に関してお話しします。注意しなくてはならないことは、低位舌と口呼吸です。

 

昭和の時代は、子供の虫歯の治療はとても数が多かったのですが、平成になって健康志向が高まり予防歯科が進むに連れて、虫歯の数は激減しました。口の中に全く虫歯のない子供も多く見られます。しかしながら昔と比べて、歯並びが悪い子供達が増えてきています、それは何故でしょうか?

 

歯並びが悪いのは遺伝なのでしょうか?もちろんそれもありますが、口腔の機能が低下している事が大きく関係しているようなのです。そのポイントが呼吸の仕方と舌の位置なのです。最近は呼吸と舌の使い方に少し問題があるケースが多く見られます。

 

 

皆さんは嚥下(唾を飲み込むこと)をするときに舌の先はどこを触っていますか?舌が上の顎を押すように嚥下すると顎の幅が広がり歯列が理想的に保たれます、しかし舌先が歯を押すように嚥下すると舌の位置が低くなり(低位舌)歯が前に動いたりして歯列は狭くなり歯並びが悪くなる傾向があります。舌が歯を押す力は約500gと言われています、人は1日24時間で約2,000回嚥下すると言われていますからその力は凄まじいものとなります。低位舌になると気道が狭くなり空気の取り込みが悪くなるなり、鼻呼吸より口呼吸が多くなる傾向になります。

 

 

 

次に呼吸ですが、なぜ口呼吸より鼻呼吸の方がよいのでしょうか?(もちろん運動するときなどは別です)鼻から入った空気はその構造から加湿清浄されて体内に取り込まれまれます。そのため、悪い菌が入り込む量を少なくし、喉を炒めたりするリスクを減らしてくれます。鼻からゆっくり空気を吸って吐くことにより体内の酸素と二酸化炭素の量をコントロールし生体を良い状態に保つ効果もあります。
口呼吸は乾いた冷たい空気が体内にそのまま入ってくるので、喉を痛めたり、細菌などが多く入ってきて体の免疫が低下していきます。また、口呼吸が多くなると唇や頬の筋肉が緩み、お口がポカンと開きやすくなるので、舌に押されて前歯が出てきたりするため歯並びに悪影響を及ぼします。

 

 

 

 

近年はこのような低位舌、口呼吸が原因で顔貌の発育不全が生じて歯並びが悪くなるケースが増えていると言われています。こういった悪習慣を直さずに矯正治療を行って歯並びをキレイにしても後戻りしやすかったりします。

 

 

そこで当院ではマイオブレースといった装置を昼の1時間と就寝時に使用してもらって舌や唇の筋肉のトレーニングを行なっています。正しい呼吸と嚥下を身につけていく事で子供達に正常な発育を促します、そうする事でより良い顔貌、歯並びが出来て来るのです。正しい上下顎の発育で気道も広がり体や脳にも十分に酸素が取り込まれやすくなります。

 

 

 

 

しかしなぜこのように子供達の正常な発育が妨げられるようになってきたのでしょうか、その大元の原因は何なのでしょうか?一概には言えないかもしれませんが、赤ちゃんのころからの授乳や離乳食の与え方、食品の変化などの影響が大きいかもしれません。最近ではうまく物が噛めない子供達が増えてきています。子育てを急がず、口に入る食品にも注意しながら、お口の周りの発育を見守っていく事が大切だと思います。

 

TCHとは何かご存知ですか?

答えはTooth contacting habit(歯列接触癖)です。

 

こんにちは、歯科医師の久恒です。
食事時や話している時以外は、上と下の歯は離れた状態が通常ですが、このTCHとは無意識に上下の歯を噛み合わせてしまっている状態のことをいいます。

 

この噛み合わせる時間が長いとどのようなことが起こるでしょうか。

 

一般的には顎関節症、虫歯、歯周病、歯の詰め物の脱離や破損、知覚過敏が起こる可能性があります。
その他、歯根破折(その名の通り歯の根っこが折れてしまうこと)や骨隆起(上顎や下顎に骨の盛り上がりができる様子)と関連しているとも言われています。

 

ではあなたはTCHでしょうか?チェックしてみましょう。

 

1.上下の歯がかみ合っている
2.前歯だけ、もしくは奥歯だけ接触している
3.上顎に舌全体がついている
4.口を閉じ、歯を離すと違和感がある
5.口を閉じ、歯をつけると違和感がある
6.舌の縁が歯形でギザギザがある
7.頬の内側に白い線がある

 

1つでも当てはまっていればTCHの疑いがあります。

 

当てはまってしまった方は、まずは歯を離すことを意識してみてください。
また、治療法としてマウスピースがあります。マウスピースをつけることによって歯に加わる力が緩衝されるので、もし興味があれば歯科医院で作ることができますよ。

ダイアグノデント

こんにちは。歯科医師の西尾です。
今回は、当院で取り入れている「ダイアグノデントペン」という装置について紹介します。
この装置を使用することにより、歯の中で虫歯になっているかどうかを調べることが出来ます。
「歯の一部が黒くなっているから必ず削らないといけない」という考えは、現在の歯科医療では否定されています。したがって、削るべき歯なのかどうかをしっかりと診断しなければいけません。その診断の手助けになるのがこの装置です。
もちろん、この装置だけでは、診断出来ない場合もありますので、視診、触診、レントゲンなどを用いて総合的に診断していきます。

 

では、この装置について説明します。
この装置は、レーザー光を利用して虫歯の検査をします。X線を一切使用しません。また、痛みも全くありませんので、小児の患者さんにも安心して使用することができます。この装置を歯面に当てることにより、数値が表示されます。この数値によって治療方針を決定します。
この装置は小児の患者さんに特に有用です。小児の患者さんに多い、急性う蝕(進行するのが速い虫歯)は視診、触診、レントゲンでは判断出来ないことが多いです。特に、6歳臼歯の咬合面(食べ物を咬む面)は虫歯になりやすく、進行も速いです。視診では一見、削る必要が無さそうでも、この装置で検査すると要治療と診断することも多くあります。

 

検査後、虫歯はあるが今すぐに削って治療する必要がないと診断した場合は「シーラント」を行います。シーラントとは、虫歯になりやすい溝を埋める治療方法です。歯を削ったりせず、表面を清掃し、虫歯の進行を抑制する材料を流し込んでいきます。この治療方法はWHO(世界保健機構)が虫歯の予防にとても効果があると発表しています。

 

 

検査後、虫歯はあるが今すぐに削って治療する必要がないと診断した場合は「シーラント」を行います。シーラントとは、虫歯になりやすい溝を埋める治療方法です。歯を削ったりせず、表面を清掃し、虫歯の進行を抑制する材料を流し込んでいきます。この治療方法はWHO(世界保健機構)が虫歯の予防にとても効果があると発表しています。

 

以上、簡単でしたが、「ダイアグノデントペン」について説明しました。
今後も、当院にある装置などについて紹介していこうと思っていますので、宜しくお願いします。